12年5ヶ月の間に後藤徹さんの身に何がおきたの
でしょうか? まずは後藤さんが監禁から解放された3日後の
写真を見てみましょう。 これらの写真は2008年2月12日撮影された。 体重や後藤さんの体力について判決ではどのように
判断されたのでしょうか。
判決文から体重に関する記述を調べると次のような
数字がありました。
後藤さんがパレスマンション多門に滞在していた
期間(平成7年9月12日~平成9年6月22日まで)
の身長と体重の記述があります。
「当時、原告(後藤徹)の身長は182センチメートル、
体重は約70キログラム前後」判決文P46
70キログラム、これが、当時の後藤さんの
通常時の体重だったようです。
後藤さんが最初のハンガーストライキによる抗議を
したのは、平成16年でした。
パレスマンション多門から荻窪プレイスと移動後、
荻窪フラワーホームに移りとすでに8年あまりの
月日が経っていました。
後藤さんは平成16年、17年、18年と計3回のハンガ
ーストライキをします。
そのうち2回目の断食後の体重の記述があります。
「原告は平成16年、17年、18年にそれぞれ断食を行っ
た。なお、2回目の断食直後の体重は45キログラムと
なっていた。」判決文P53
荻窪フラワーホームから解放された夜に、一心病院
に入院してから一週間後の体重があります。
「原告は平成20年2月10日夜、統一教会の本部教会
に到着した。原告は平成20年2月11日早朝、一心
病院において診察を受け、同日から同年3月31日
まで、一心病院において入院治療を受けた。原告
が入院してから約一週間後に測定された原告の
体重は、約52キログラムであった。」判決文P54
判決文にはこの3つの体重の記述がありますが、
後藤さんの身長は変わらないのでそれぞれの
BMI指数をみてみます。
BMI(Body Mass Index)は体重と身長の関係から
算出されるヒトの肥満度を表わす体格指数です。
成人に対する数式は BMI=体重÷(身長x身長)
です。
(体重は㎏、身長はmなので注意)
通常時の後藤さんのBMIは
70÷(1.82x1.82)=21.13
とても良い感じです。
二度目の断食後の後藤さんのBMIは
45÷(1.82x1.82)=13.59
おそらく、”骨皮筋衛門”状態
監禁解放後1週間目の後藤さんのBMIは
52÷(1.82x1.82)=15.7
まだまだ超低体重状態。
ちなみに後藤さん側は訴えでは解放直後のBMIが
15にも満たず、栄養失調状態にあったと主張して
います。
この主張から逆算すると、解放直後の後藤さんの
体重は50キログラムだったことになります。
判決文における後藤さんの体力に関する描写です。
「原告が平成7年9月11日以降、各滞在場所間の移動
の機会を除いてはほとんど外出しておらず、長期間
にわたりその行動が著しく制限されていた結果、
上記滞在期間中には相応の筋力の低下が生じていた
ことが窺われる」判決文P58
後藤徹さんの体力を削ったのは”食事制裁”
ではなかったのか?
判決文にはこうあります。
「後藤母と被告(後藤妹)は、日常的に、原告の食事
を用意していた。
被告(後藤妹)は、かつて信者であった頃に断食を
行った経験を有していたことから、~自身の経験に
基づき、原告の食事を普通食に戻すまでの間に時間
を置き~原告の体調を気遣っていた。」判決文P53
1回目と2回目の断食後は約1か月をかけて普通食に
戻されます。
3回目はどうでしょう。
「原告が3回目の断食を行ったあとは、~約70日に
わたって流動食が用意され、その後、普通食に戻
された」判決文P53
「その普通食についても、~身体に負担のかからない
ものが用意されていたため、原告と同等の身長の
ある一般の成人男性に必要とされるカロリーを摂取
するのに十分なものではなかった。」判決文P53
原告側、被告側双方が食事の再現を提出しているの
で見てみよう。
(箸の長さからの対比で器の大きさに注目してみて下さい。) 原告側提出の夕食の再現 被告側提出の朝食(上)、 夕食(下)の再現 裁判判決でどちらの再現が採用となったかは記載
がない。
食べていた本人、出した本人は
”本当”はどちらだ
ったか知ってることでしょう。
棄却された”食事制裁”
後藤さんが訴えた”食事制裁”について判決はこう
判断を下した。
「原告は、被告(後藤兄)らにおいて、原告に対して
粗末な食事しか与えずに食事制裁を行い、原告を
虐待したと主張するが、~上記滞在中の原告の食事
は後藤母及び被告(後藤妹)において用意されてお
り、被告(後藤妹)はかつて信者であった頃に断食
を行った経験を生かして、原告の断食明けの食事に
ついて配慮し、原告の体調を気遣っていたこと等が
認められるところであって、原告が3度目の断食を
行った後に出された普通食が原告と同等の身長の
一般男性に必要とされるカロリーを摂取するに十分
なものではなかったことも、原告において再度断食
を行う意向を表わしていたことを踏まえてのことで
あったことを考慮すれば上記の原告の食事に係わる
事情については、直ちに違法な点を見いだすことは
できず、原告の上記の主張は採用しない。」
判決文P60
"違法な食事制裁"はなかった? では、何故判決は
"治療費全額支払い"を命じたのか。 治療費支払いに関する判決はこうなっている。 「④原告の行動範囲に対する著しい制限が長期間に及び、
原告の全身の筋肉が低下するに至ったことが認めら
れる」判決文P57
「原告は、その行動範囲に対する著しい制限が長期間に
及び、原告の全身の筋力が低下するに至り、その治療
のため、平成20年2月11日から同3月31日まで、一心
病院に入院したことが認められ、また、証拠によれ
ば、その入院治療費用及びこれに関する一心病院、
東京都立大塚病院及び北里大学病院における各通院治
療費用等として、合計33万9110円の支出をしたことが
認められるから、その金額について、被告(後藤兄)
らの前記不法行為との相当因果関係を認めるのが相当
である。」 判決文P63
一心病院の診断書 甲第2号証
北里大学病院の診断書 甲第3号証
北里大学病院宮崎医師による 最終報告書 甲第94号証
最終報告書の診断部分拡大
北里大学病院の宮崎浩二医師は最終報告書で次のよう
に診断している。 (診断日は2008年4月7日、最終報告書作成日は4月18日) 「先日ご紹介いただきました患者様 後藤 徹 様の
当院での結果がそろいましたので、御報告いたしま
す。 精査事項である貧血につきましては鉄欠乏症でよい
と思います。鉄欠乏の原因としては、H.pyori便中抗
原は陰性でしたので、長期にわたる低栄養とストレ
スのためか胃粘膜の萎縮、吸収力の低下があるので
はないかと思われます。
総コレステロールなどから栄養状態は回復傾向にあ
るようですが、鉄以外にも以前ZnやVit. B12等も低
値が続いており、十数年間という長期にわたる低栄
養から回復にはまだ時間がかかるのかもしれません。
したがって、鉄をはじめとしてミネラルやVitamin類
の補充を中心に食生活をきちんとしていただき静養
されれば徐々に回復してくるものと思われます。 また、下痢などの消化器症状もはっきりしないよう
ですので、次第に回復傾向が見られれば問題ないと
思いますが、増悪傾向があればCrohn病などの器質
的疾患を除外する必要があるかもしれません。」
つまり、後藤徹さんのあのような姿は”食事制裁”
ではなく、不法行為と断罪された長期間の”不当
な拘束”(監禁)が原因と判断されたということ
になります。 いろいろな思いは出てきますが、それは総括で
述べたいと思います。 それよりも、「治療費全額」という勝訴判決内容
については、特に教会員ではない方々の協力あっ
ての内容であったということを強調したい。 解放直後の後藤さんの写真を撮ったのはルポライタ
ーの米本和広氏です。 もし、教会関係者が撮った写真のみであったら、
はたして裁判所は同様の判断を下していたでしょうか。 東京で、”統一教会大嫌い”であるけれど
「拉致監禁反対」の元信者の方々にお会いしました。 彼らの中には、今回の治療費、後藤さんの健康状態
についての陳述書作成に大変尽力してくれた方もい
たと聞きました。 後藤徹さんは、特にこの非教会員の方々に対しての
謝意を強調されていました。
私も聞けば聞くほどに、感謝とともに顔が上げられ
ないそのような気持ちになりました。
次回は、松永牧師と宮村峻氏 明暗を分けたもの!
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[2回]
COMMENT
ありがとうございます。
大変わかりやすい記事ありがとうございます。
治療費全額認められたのは、よかったですが、判決文を読むと、食事制裁、栄養失調状態が認められたわけではないのですよね。
認められたのは、「廃用性筋萎縮」。
ただ、治療費全額請求に至ったということは、後藤氏家族が後藤氏を「廃用性筋萎縮」状態にした。つまり、後藤氏の行動を制限したということが証明されたということですよね。
刑事告訴の時に比べて一歩前進ですが、できれば「食事制裁」「栄養失調状態」も認めて欲しかったです。
拉致監禁する家族は愛情がある、とおっしゃった方がいました。
その愛する家族を「食事制裁」によって、「栄養失調状態」にしてしまいました。もしかして、命を落としていたかもしれないのです。
拉致監禁による説得は、家族をも、ここまで追い込んでしまう危険なことということを、反対派は自覚して欲しいです。
PS:
秀さんのブログ記事を、私のブログ記事に引用させていただくことも今後あると思います。
その時は、宜しくお願いします。
RE ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
記事はどうぞ引用下さい。
後藤裁判において今回記事にした部分は
密室で行われるゆえ、なんでもありになるという
「拉致監禁(保護説得)」の闇の部分です。
監禁部屋は異常な空間です。
そのため、家族の愛情が簡単に狂気にかわります。
説得者(ディプログラマー)も、、、。
それがいかに危険なのかは伝えなくてはなりません。
そうでなくてはブログを立ち上げた意味はありません。
今後もよろしくお願いします。
ブログ開設、すばらしいです。
さきほど、私のブログで、「後藤裁判の判決:最大の問題点 - しぶしぶの同意と偽装脱会の扱い」という記事をアップしました。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/388197911.html
Reブログ開設、すばらしいです。
ありがとうございます。
次の記事で明暗にわかれた松永牧師と宮村峻氏
について書くつもりでいます。
Yoshiさんの記事参考にさせていただきます。
監禁罪
犯罪者で無いものを犯罪者とすることも容認できません。
後藤徹さんと宮村に拉致監禁された他の方々を同一にはしません。