後藤徹さんは拉致され、12年5ヶ月の間監禁されたと
訴えたわけですが裁判ではどのような判断が下され
たのか検証したいと思います。
松永牧師と彼の所属教団(日本同盟基督教団
)への
請求は今回の判決では棄却されています。
(もちろん、後藤さん側としては不服なわけです
が今回はひとまずおいておきます。)
松永牧師が関わったパレスマンション多門に滞在し
ていた期間とその後移動した荻窪プレイスに滞在し
ていた期間(平成7年9月11日~平成9年末頃まで)
について
判決は「その間の被告らの行為については、直ちに
違法性を認めることは困難であると言うべきである」
としています。
パレスマンション多門 荻窪プレイス
さて、それでは後藤さんが10年の間過ごすことになっ
た荻窪フラワーホームはどうだったでしょう。
その前に後藤さんの置かれた状況を裁判所がどう判
断したか判決からみてみます。
「両親及び被告(後藤兄)らの原告(後藤徹)に対
する対応は、概して、信者に対する脱会説得につ
きそれぞれ多くの経験を有していた被告松永及び
被告宮村がその脱会説得のための実践的・実効的
な方法としていたところに従ったものであり、」
判決文P56
とあります。
では、実践的・実効的な方法とは何でしょう。
判決文は続きます。
「各滞在場所における逃亡防止措置の実施、外出及
び外部との連絡の制限等に重点が 置かれたもの
であって~原告にとって、その意に反する強制的
な要素を含むものであったことは明らかである。」
判決文P56 判決文には他に具体的に実践的・実効的な方法の
記述はありません。
逃亡防止措置の実施、
外出及び外部との連絡の制限
が
実践的・実効的な方法の
中心ということなります。
後藤さんは逃亡防止措置の実施、外出及び外部との
連絡の制限を受けていたようです。
実はここまでは12年5ヶ月、すなわち全期間通して
の認定です。
どうして、松永牧師はセーフで宮村峻氏はアウトに
なったのか?
興味はつきませんが続けます。
荻窪フラワーホームの状況について判決文は
こう綴ります。
「荻窪フラワーホームには、3部屋あり~原告が使用し
ていた部屋から玄関に向かうためには、構造上、
被告(後藤兄)らが使用している部屋を通る必要が
あった。
また、被告(後藤兄)らは、玄関のドアの内側のド
アチェーンの部分に南京錠で施錠をしており、当該
南京錠を解錠しなければ上記ドアを開けることがで
きない状態にしていたほか、ベランダに面した部屋
の窓についても、鍵の付いた錠を設置し、開閉がで
きない状態にしていた。」 判決文P49 逃亡防止措置としてつけらていた施錠
おなじみドアチェーンと 窓に付けられていたクレセント錠 南京錠の組み合わせ こうした状況の中、後藤さんは退出(マンションから
の脱出)を試みます。
障子戸の障子を壊す描写に続けて判決文は続けます。
「原告は、時折、玄関の方に向かっていったが、そのよう
な場合には、被告(後藤兄)らによって取り押さえら
れ、大声を出すも被告(後藤兄)らからその口を押さ
えつけられるなどした。被告後藤兄は、その頃、玄関
と居室とを隔てる箇所に設置されていた木戸のドアノ
ブを、施錠が可能なものに取り替えた。」
判決文P51~52 後藤さんのマンション脱出の試みは不発に終わり、
”逃亡防止措置”はより強固なものになります。
判決は結論へと続きます。
「①常に被告(後藤兄)らのいずれかが原告と共に荻窪
フラワーホームに滞在して原告と行動を共にし、原告
が一人で外出することや、外部との連絡をとることを
許容されなかったことに加え、②原告が退出の意向を
示したにもかかわらず、被告(後藤兄)らにおいて、
玄関に向かおうとする原告を取り押さえるなどしてい
たこと、③原告が、上記の状況に置かれていることに
ついて、被告(後藤兄)らに対して明示的に抗議の意
を表わしていたこと、④原告の行動範囲に対する著し
い制限が長期間に及び、原告の全身の筋肉が低下する
に至ったことが認められる~原告の明示の意思に反し
てその行動の自由を大幅に制約し、外部との接触を断
たせ、原告の心身を不当に拘束したものと評価せざる
を得ず、原告に対する不法行為を構成するというべき
である。」判決文P57 「原告は、~その場に留まり続けて家族らと共に生活を
行い、話し合いを続ける意思を有しておらず、しばし
ば退出の意向を明示していたことは明らかであって、
当時において統一教会について問題のある団体である
旨の報道が広くされており、被告らがそのような統一
教会の信者である原告を案じていたことが容易に推察
されることを踏まえても、成人男性である原告を長期
間にわたって1ヶ所に留めおき、その行動の自由を大
幅に制約し、外部との接触を断たせた上で説得を試み
ることについては、その説得の方法として社会通念上
相当というべき限度を逸脱したものとみざるを得ない」
判決文P60 「原告は被告(後藤兄)らの前記不法行為により、10年
以上もの長期間にわたり、その明示の意思に反してそ
の行動の自由が大幅に制約され、外部との接触が許さ
れない環境下に置かれ、その心身を不当に拘束され、
棄教を強要されたものであり、そのことにより原告が
被った精神的苦痛は極めて大きい。」判決文P63 たしかに
「監禁」という言葉を判決文は
使っていません。
しかし、
強く断罪していると言って良い判決です。
家族が宮村氏や松永牧師の
実践的・実効的な方法
に従っていたと判断した上で
おなじみの
ドアチェーンと南京錠等による
強固な
”逃亡防止措置”を認めています。
一人での
外出や外部との連絡、接触も出来なかっ
たこともしっかり認定されています。
フェアに言えば、身体に対する物理的な拘束を直
接(手錠や縄で縛られる等)を加えられた証跡は
なかったことは判決文P63にあります。
(訴えには手錠をかけられたという内容はありません。) 監禁とは、人を一定の限られた場所から脱出するこ
とを不可能に、あるいは著しく困難にすることによ
って、場所的移動の自由を制限することを言う。
(ウキペディアの”監禁罪”から) 今回、裁判所が下した判決文を読めば、後藤さんが
10年以上
不当な拘束されていたという
不当な拘束と
は監禁を言い換えただけということは明白です。
結論としては、判決文によると
後藤徹さんは10年以
上監禁されていたということです。
*今回の判決文の引用は、「当裁判所の判断」部分
からの引用になります。
次回は 治療費全額支払い命令!
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COMMENT
民事
警察も検察も九ヶ月監禁なら、、、と言いたいところ、、、
時すでに遅く、時効。
その後を加えれば嫌疑不十分。
妥当なところ。